私は統士郎の自立っぷりに油断していたのだ。
彼は初めてのフルチョの子で、関節保持のKIPSとして皮を付けてくれるサービスがあったころ※のフルチョなので、安定のポージングに油断していたのだ。(※新システムでは選べなくなったが、里の工房ではできるとか)
それで台の上に純ちゃん(中統士郎)を乗せて、ミニ統士郎を膝立ちで寄りかからせたりしていた。
こんな風に。
めっちゃミニ統士郎の態度が偉そうで、いいじゃんめっちゃ統士郎っぽいじゃん、と思ったので、横に座らせるという安全策の選択肢はなかった。
大統士郎「やめなよ、あぶないよ」
ミニ統士郎「えーぜんぜんだいじょうぶだしー」
中統士郎「ねー!よゆーよゆー」
そんな会話がぴったりなほど、事件勃発直前の写真。
思えば大統士郎が不安そうな表情で全然集合写真に乗り気ではなかったのだ。
そして事件は起きた。
いつもですます調のブログがおもわずこんな口調になってしまうほど動揺しているので察してほしい。
そもそも中統士郎のSDGrボディはグラグラで不安定なのに足を組ませたくて無理やり気味なポージングだったし、その裾の上にミニ統士郎がいたのだから、中統士郎ちゃんがバランスを崩して、ドミノ倒しみたいにミニ統士郎が落ちたのだと思う。
それはもう派手にいった。笑っちゃうくらい派手にいった。
周りの人はワッ!!と叫び声をあげて、遠くで撮影していた人が大丈夫ですか!?!?と振り向くほど派手にいった。
台の上から飛び出すように、顔面からミニがダイブした。
私は小学校低学年の頃、公園で校外学習中、集合時間に焦った班員が小さな坂をジャンプして降りていくのに便乗し、着地に失敗し見事に膝から落ちたことがある。
あっ擦り傷擦り傷、大丈夫、いたくないよ、エヘヘヘ、と立ち上がったとたん、自分の膝のスプラッタな惨状を目の当たりにして発狂した。(結局5針縫い今でも跡が残る大怪我であった)
今日も「だいじょぶだいじょぶえへへ」、と周りに言いながら、あの小学生のあの日の自分が蘇った。これ絶対大丈夫じゃないよやばいやつだよ。
おそるおそるミニ統士郎を拾い上げると、想像に反して大丈夫だった。鼻折れたりかけたりヒビいってると思っていたがそんなことはなかった。
今回の事件をツイートしたときに前向きですね、とおっしゃっていただいたが、むしろあれだけの派手なダイブで、想定外の軽傷だったので、ほっとしたというのもある。
全然大丈夫な範囲だった。
想定外の軽傷だったので、割と落ち着いて、傷を見てみた。ほほに泥のような汚れ。ああ、公園で着地失敗したときもし軽傷だったらこうだっただろうな、という感じのちょっとの土汚れに擦り傷といった感じ。
そしてやんちゃしてころんじゃった!みたいになっているほほの汚れを落とせないかな、と思って軽くティッシュでこすって様子をみたものの、その部分はベースから塗装が剥げた上に汚れがついている状態で完全に逝ってしまっていた。
あっこれはダメな奴だ、と動揺しながら、メイクカスタマーIさんに「これって(溶剤で)チョイチョイってしたら落とせますかね」と聞いたところ
「だめだめだめ!!!!溶剤は絶対にダメです!!!!!!!!!!!!」
「チークなくなります」
「下手したらアイメイクも逝きます」
「「かわいた!!!」」「「メラミンスポンジ!!!!つかって!!!!!!」」
カスタマーYさんもいつの間にか混ざってお二人が同じことを叫んでいた。
ありがとう神様。お二人のお陰です。
家だったら、1人だったら、てんぱってチョイチョイして大惨事になってました。
絶対に、乾いたメラミンスポンジ!だそうです。
覚えておいてくださいね。
「落ち着いて、家で冷静になってから、そっとやってください」
とのことだったので、いったん事故のことは忘れ、撮影を続行した。
私はミニ統士郎のメイクが大好きすぎて、どんなにメイクがあせていってもメイクが剥げてもメイクを直すことはないだろうなと今までは思っていた。
コーデっ子やワンオフ、それから新システムになってからのフルチョっ子はデータがあるので、仮にメイクをし直すことになってもまだなんとかなる可能性は高いけれども、写真を記録するようになる前の旧システムフルチョのミニ統士郎はメイク再現特に難しいだろうなと思うので、一番傷つけたくない子だった。
その一番傷つけたくない子がこうなってしまった以上、何も怖くないな、という気持ちもあり、想定外に前向きな気持ちで、これを機に有償交換や里帰りに出すのもありかなあ、という気持ちも湧いてきた。
ミニ24番は廃番なのでいずれ有償交換ができなくなることを考えると、傷や汚れ自体はレタッチでどうにか隠せるレベルだけれども、メイクが完全に退色する前に里帰りにだすのもありかな…などと、今すぐにではないにしろ、今後の里帰りを視野に入れるようになった。
そんな感じで思っていたより前向きな気持ちでツイートし、部屋を片付けて精神を落ち着かせ、そしていよいよメラミンスポンジの出番となったわけである。
メラミンスポンジ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
すごい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
よごれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おちた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
神様本当にありがとうございます、おっしゃったとおりでした。
なお乾いたメラミンスポンジではどうにもならなかったので、ほんのちょびっとだけ、ほんのちょびっとだけ濡らして、優しく優しくなでるように何度も触れるか触れないかくらいの力で何度も時間をかけてじっくり。
傷自体はどうにもならないし、その部分はコーティングもベースも剥げてしまっているけれど、黒く泥汚れのようになっているよりは全然目立ちません。
一眼だとうつるかもしれないけれど、携帯写メでは見えないくらいまで、汚れがなくなりました。
溶剤は絶対にダメ!!!
乾いたメラミンスポンジ!!!
本当にありがとうございました。
里帰りについては今すぐにはしないけれども、この先前向きに考えてみたいと思います。統士郎の今後と向き合う良いきっかけになったので。
そしてこの残った傷も、今日の事件も、みんなみんな、統士郎と過ごした証なのだな、と統士郎のことが愛おしく感じられたりするのです。
もしこの先、転倒事故起こした際に少しでも参考になれば幸いです。
大丈夫そうに装っているけれども、たぶんまだ動揺しているんだと思います。
面白おかしく書くことで消化しようとしている部分があるので、もしも気分を害してしまったら本当に申し訳ございません。